一車多様の万能車!
メルセデス・ベンツの商用車というのは、日本でも大型のトレーラーなどで見かけるようになってきたが、働くクルマとして古くから愛されているのがウニモグだ。
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働くといっても、物流ではなく、工事などのハードな現場が活躍の中心となっている。また東北での震災復興のために、メルセデスから寄贈されたこともニュースになった。
現場仕事向けといっても、寸詰まりのボディはどこか愛嬌があるもので、自家用にしている人もチラホラいる。なかでも、もとスバルのデザイナーでもあるパラダイス山元氏が所有しているのは有名だ。そもそもウニモグという名前自体がなんだか可愛いが、単純に「多目的動力機械」の頭文字を合わせたもの。じつは無骨な名前だったする。
その歴史は古く、生産が始まったのは1946年で、敗戦からの復興のために役立つ産業用の車両はなにかを考え、コンセプトは決められた。それは農業向けというもので、ただ耕すだけのトラクターとは違って、運搬もできるというのがユニークだった。ちなみに耕すためにはアタッチメントを付けて対応した。
このアタッチメントを用意して、付け替えることで、さまざまな用途に使用できるというのは今でも変わらないもので、清掃や運搬、除雪など。なかには鉄道のレールを走るためのアタッチメントもある。なんとその数は1000以上というから驚く。それらを使いこなすために、ギアは最大で24段まで増やせたりする。つまり、ウニモグ1台あれば、さまざまな用途に使えて、使い勝手だけでなく、コストも削減できることになるというわけだ。
じつはワタクシ、ウニモグを運転したことがある。以前はヤナセの子会社であるウエスタンモータースが輸入代理店だったのだが、バブルもあってか特別仕立ての「アーバンウニモグ」なるものをドイツに頼んで作ってもらい、販売していた。(写真はイメージです)
これに試乗させてもらったのだが、運転フィールは見たまんまで、大型トラックよりゴツゴツした感じ。ただ、ボディ自体はコンパクトで取り回しに気を使うということはなかった。また驚いたのは左ハンドルにも右ハンドルにもできることで、インパネの上をスライドさせれば簡単に切り替えることができた。またシフトも、識字率の低い地域において字が読めない人が使ってもわかるように、低いギアは亀。高いギアにはうさぎのマークが付いていたのは、さすが現場向けといったところだった。
登坂能力は45度とされるなど、頼もしさは十分。雨のなかでも高速を走ったが、スピードは出せば出すほど安定するというのにもビックリ。ただ、ギア比を高めにしていあるアーバンウニモグでも100km/hがせいぜいではあった。(写真はイメージです)
今でももちろん販売され、民間だけでなく、道路公団や警察などでも使用されているウニモグ。最新のディーゼル規制もパスしたり、デザインもより未来的になるなど、まだまだ進化は続いている。もちろん個人でも買えるので、自家用に一台いかがだろうか?
(写真:メルセデス・ベンツ 取材協力:マロニエオートストーリー)
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